著作者人格権ってなに?クラウドソーシングを使うために知るべき知識

ノウハウ

どんなものでも外注をする際には、著作権についての理解が必要です。

クラウドソーシングが生まれる前はほとんどの取引は契約書を持って取り決められていたため、多くの発注者、受注者は著作権等の契約に関する知識を持っていましたが、クラウドソーシングが生まれ、小規模の依頼では契約書を交わさずともネット上で取引が簡単に行えるようになったことで、現在、それらの知識を持たずに発注する方が増えてきました。

クラウドソーシングはそういう方でも問題が起こらないよう、利用規約等で細かく定めていますが、一部のクラウドソーシングサイトでは、依頼内容を当事者間での取り決めに任せていることもあるため、やはり、安全に依頼を発注するためにも最低限の知識は持つべきだと言えるでしょう。

今回はクラウドソーシングにおいて最も知っておくべき権利、著作権、著作者人格権について解説しようと思います。

著作権、著作者人格権の定義

著作権とはウィキペディアによるとこう定義されています。

著作権とは、知的財産権の一種であり、美術、音楽、文芸、学術など作者の思想や感情が表現された著作物を対象とした権利である。このうち著作者の権利は、財産的権利(著作物を活用して収益や名声などを得ることができる著作財産権)と、人格的権利(著作物の内容と著作者を紐づけることで、著作者の人間性を正確に表現する著作者人格権)に分類され、とりわけ著作財産権は狭義の著作権と同義とされる。また、著作物を伝達する者(実演家、レコード製作者、放送事業者など)に付与される権利(著作者隣接権)も最広義の著作権の概念に含まれる。

簡単に要約すると、著作権は広い意味では(著作財産権、著作者人格権、著作者隣接権)のことを言うけれど、狭い意味では著作権=著作者財産権として、著作者人格権は著作権とは別物であると言うことです。

一般に外注での契約書やクラウドソーシングサイトの利用規約では後者の扱いになっています。

著作権は著作者財産権のことを指し、著作者人格権については著作権とは別に記載されます。

クラウドソーシングでの著作権と著作者人格権のくくりがわかったところでそれぞれの内容について出来るだけ簡単に説明していきます。

クラウドソーシングにおける著作権、著作者人格権とは

著作権

デザインやライティング、音源などを作った人(著作者)がその物や作品を、第三者に勝手に利用させたりしないための権利です。

作曲家を例にとると、作曲家は自身が作った音楽を音楽教室やレコード会社などに使用料と引き換えに利用許可を出すことで、暮らしていくことができます。

その曲などを無断で使うことを禁止するのが著作権です。違反して、訴訟になれば懲役刑や罰金刑になります。

しかし、クラウドソーシングや多くの外注委託契約では著作権は著作者からクライアントに譲渡することになっています。

もし、著作権が外注先に残ったままだと、納品されたものを使うのにその都度許可を取らなければならなかったりと、業務の進行に支障がでるためです。

また、クラウドソーシングで発注される依頼のほとんどが小規模で低単価であることも理由の一つでしょう。

著作者人格権

著作者人格権主に4つの内容に分けられます。

簡単に説明していきます。

公表権

著作者が作ったものをどのように公表するかいつ公表するかなど、公表に関する方法や時期を決められる権利です。

氏名表示権

自身の名前を著作物を公表する際に表示するかしないかを決められる権利です。

同一性保持権

著作者の許可なく、著作物の一部を切り取ったり、変えたりすることを禁止する権利です。

名誉声望保持権

著作者の意図とは異なる方法で著作物を使用することを禁止する権利です。

いかがですか。上記の著作者人格権はいい加減な契約書などだと記載されていない場合がありますが、なかなかに強い効力を持っていますよね。

こちらもクラウドソーシングでは使ってはならないと決められている場合がほとんどです。(著作権と違い、著作者人格権は譲渡することはできないので、不行使と記載されます)

どうしてでしょうか。

ブログ、アフィリエイト記事を外注した場合を考えてみましょう。著作者人格権の行使を許してしまうと、納品されてきた記事を直したり、画像を載せたりすることが、ライターの許可なしではできなくなります。また、納品された記事をいつ公開するかもライターにわざわざ許可をとり、指示を仰がなくてはなりません。

以上の理由から多くのクラウドソーシングでは著作権は譲渡、著作者人格権は不行使と利用規約で定められています。

大手クラウドソーシングサイト、クラウドワークスの利用規約

第14条:本取引の成果物等に関する知的財産権およびその利用

1. 本サービスを通じてメンバーがクライアントに対して納品した成果物に関する著作権等 の知的財産権(著作権法第27条及び第28条の権利を含みます。)は、本取引の業務が完了するまでの間はメンバーに帰属するものとし、本取引の業務が完了した段階でクライアントに移転・帰属するものとします(中略)また、メンバーはクライアントに対して、当該成果物にかかる著作者人格権を行使しないものとします。(後略)


https://crowdworks.jp/pages/agreement.html

まとめ

いかがでしたか。クラウドソーシングでの著作権、著作者人格権の扱いについて大枠はわかったのではないでしょうか。

あなたが発注者であるならば一度利用しているクラウドソーシングサイトの利用規約をみて、これらの記載があるかどうか確認することをお勧めします。