学生がクラウドソーシングで稼いだ場合の税金【確定申告、扶養】
2020年5月27日
クラウドソーシングでたくさん稼ごうと考えている学生の皆さん!
確定申告や、扶養について、しっかりと考えたことはありますか?
これらをよく知らないまま稼ぎすぎてしまうと、
こういったトラブルが発生してしまいます。
今回は、クラウドソーシングで稼ぐ際に学生が気をつけなければならないことを、パターン別に解説します。
確定申告とは、1年間の収入や、納めるべき税金の金額を税務署に申請することです。
また、扶養から外れると、親が受けていた扶養控除が受けられなくなり、結果として、親が納めなければならない税金が増えたりする可能性があります。
確定申告が必要であるか、扶養から外れるか否かは、一定の基準により決められます。
それでは、その基準がどのようになっているか、具体例を用いて確認しましょう。
まずは、バイトをしておらず、クラウドソーシングからのみ収入を得ている学生の場合です。
重要なことは、【収入-経費=利益】が48万円以下であることです。
これさえ気をつければ、特に必要な手続きは発生しません。
それでは、具体例を見てみましょう。
クラウドソーシングからの収入:50万円
クラウドソーシングで使用した経費:2万円
まず、なによりも確認しなければならないのは、【収入-経費=利益】の額です。
【収入-経費=利益】の額が、※48万円以下であれば確定申告をしなくて良い他、扶養控除の対象になります。
※令和2年分以降。それ以前は38万円以下。
パターン①では、利益の額が、【50万円-2万円=48万円】となります。48万円以下のため、確定申告をする必要はなく、扶養控除の対象になります。
クラウドソーシングからの収入:60万
クラウドソーシングで使用した経費:2万
では、パターン②ではどうでしょうか。
先程と同様、【収入-経費=利益】を計算します。
【60万円-2万円=58万円】となり、48万円を超えてしまいました。
この場合、確定申告をする必要があります。税務署に対し、所得の申告等を行わなければなりません。
また、扶養控除の対象から外れることで、親が納めなければならない税金の額に影響が出てきます。
つまり、面倒な手続きを避けるためには、【収入-経費=利益】が48万円以下になるように気を付けさえすればよいということです。もし、48万円を超えてしまう場合は、必ず親に相談しましょう。
続いて、クラウドソーシングとバイト、双方から収入を得ている学生の場合です。
重要なことは、【(クラウドソーシングの利益)+(バイトの収入-55万)】が48万円以下であることです。
先程より複雑ですが、具体例を用いて解説していきます。
クラウドソーシングからの収入:30万円
クラウドソーシングで使用した経費:0円
バイトからの収入:55万円
まずは先程と同様、①クラウドソーシングから得られる利益を計算します。【収入-経費=利益】ですね。
①:30万円-0=30万円
続いて、②バイトの収入から※55万円(給与所得控除)を引きます。
※令和2年分以降。それ以前は65万円。
②:55万-55万=0円
最後に、③この2つを足した金額が48万円以下であれば、確定申告をする必要はなく、扶養控除の対象になります。
今回の場合、
③:30万円+0円=30万円
となり、48万円以下であるため、この基準をクリアしています。
クラウドソーシングからの収入:60万円
クラウドソーシングで使用した経費:0円
バイトからの収入:70万円
先程と同様、①クラウドソーシングから得られる利益を計算します。
①:60万円-0円=60万円
続いて、②バイトの収入から55万円(給与所得控除)を引きます。
②:70万円-55万円=15万円
最後に③この2つの金額を足します。
③60万円+15万円=75万円
75万円となり、48万円以下になりません。この場合、確定申告の必要があり、扶養控除の対象から外れます。
なお、クラウドソーシングとバイトの収入の合計が130万円以上の場合、社会保険の扶養からも外れます。今回、収入の合計は130万であるため、ぎりぎりで社会保険の扶養からも外れてしまいます。
すでに文章中に記載いたしましたが、確定申告が必要か否か、扶養控除の対象か否かの基準となる金額が、令和2年以降より変更されています。
・基礎控除:38万円→48万円
・給与所得控除:65万円→55万円
・扶養控除対象:合計所得金額38万円以下→48万円以下
国税庁HP にて、最新の情報を確認しておきましょう。
以上をまとめると、
・クラウドソーシングのみから収入を得ている学生
↳利益が48万円以下
・クラウドソーシング+バイトから収入を得ている学生
↳【(クラウドソーシングの利益)+(バイトの収入-55万)】が48万円以下
この基準をクリアしていれば、特別必要な手続きはありません。
もし上記の基準を超えてしまう場合は、親などに相談し、確定申告等の手続きを行いましょう。