クラウドソーシングで複数のクライアントと契約すべき5つの理由

クライアントとの信頼関係を築くのはなかなか大変です。そのため、好条件のクライアントと出会った後は、そのクライアントから集中的に業務を受注しがちです。

しかし、クラウドソーシングでは特定のクライアントに依存するのではなく、複数のクライアントと同時に関係をもつようにすることが大切です。今回は、複数のクライアントと契約すべき理由について詳しく解説していきます。

複数のクライアントと契約すべき理由

クラウドソーシングサービスで複数のクライアントと契約すべきなのは、主に経済的なリスクの軽減とスキルアップのためです。

収入を増やすことができる

収入を増やすためには、受注する仕事量を増やす必要があります。十分な時間と余力があるなら、クライアントからできるだけ多くの仕事を受注したいものです。

しかし、クライアントにも予算があるので、いくらでもワーカーに仕事を出すことはできません。つまり、ひとりのクライアントから得られる報酬額は限られているということです。

複数のクライアントと契約すれば、この問題を単純に解決して収入を増やせます。さらに、稼ぎの口が増えることで、フリーランス特有の経済的な不安定さも軽減できるのです。

経済的なリスクを分散させることができる

フリーランスとして生活する最大の魅力は、他人との関わりを最小限に抑えながら稼げることです。しかし、フリーランサーは自由な生活と引き替えに、経済的な不安定さを常に背負っています。

例えば、かなりの稼ぎがあった後にそのクライアントとの関係が切れると、収入が突然ゼロになって生活に困窮します。さらに、翌年の確定申告時に税金の支払いが困難になってしまうこともあるでしょう。

クライアントとワーカーの関係は単純明快ですが、いつ切れるか分からないドライなものです。複数のクライアントと関係をもつことで、こういった経済面のリスクを軽減できます。

幅広い分野の業務で経験を積める

同じクライアントから業務を受注し続けていると、どうしても似たような内容の業務が多くなります。ワーカーとしてのスキルを上げるためには、幅広い分野での経験を積むことが大切です。

例えば、ライターの場合は他の分野での記事執筆に挑戦してみると、テーマの探し方や構成方法などで新たな発見があるかもしれません。

プログラマの場合は、関数型言語にチャレンジしてみたり、Docker,AWS,CI/CDなどの比較的新しい技術を使った業務にチャレンジすると、スキルの向上で収入が大幅に増えるかもしれません。

また、多くのクライアントと関わるようにすると、それだけチャンスも多くなります。ひとつの仕事が終わった後に別の仕事を紹介してくれることもあるので、さらなるスキルアップや報酬額の向上に繋がるでしょう。

他のクライアントから得た知識を活かせる

どんな分野でも知識は力になります。複数のクライアントから仕事を受注すると、それだけ多くの知識をクライアントから得られます。得た知識を他のクライアントの案件に活かすと、契約条件をより有利なものにできます。

例えば、WordPressでの寄稿を新たに経験したライターは、テキストファイルで納品する形式の案件で有利になるかもしれません。WordPressでの直接寄稿を提案することで、クライアントとの単価交渉に持ち込める可能性があるからです。

安心感につながる

前述したように、フリーランサーは経済的に不安定になりやすいものです。不安で自信がない状態では、仕事に全力投球するのが難しいこともあります。そんなときこそ、積極的に多くのクライアントと関係を築くようにしましょう。

これまでご紹介した「収入の増加」や「リスクの分散」、さらに「スキルの向上」は、精神的な安心感に繋がります。その結果、仕事の質が高まってクライアントからの評価も高まり、さらに高単価の仕事を得られるという好循環にも繋がるのです。

複数のクライアントと契約するときの注意点

複数のクライアントと契約するときは、複数の業務をきちんと管理できるようにしておくことが大切です。そのための注意点を確認しておきましょう。

他のクライアントの情報を漏らさないこと

クライアントから得た知識は、他のクライアントの業務でどんどん活用しても構いません。しかし、あくまでも節度をもって行うことが大切です。明確な線引きはありませんが、他のクライアントの情報を売るような行為はもってのほかです。

例えば、「あのクライアントはこんなことをしていたから、あなたも試してみてはどうか」などと持ちかけて、その情報と引き換えに報酬を得るような場合です。このような行為は、他のクライアントに損害を与えるの可能性があるため、やめましょう。

手を広げすぎて仕事の質が落ちないようにする

受注する仕事の量を増やすことは、労働の長時間化に繋がります。仕事が時間に圧迫されるようになると、各業務の質が低下していくのは避けられません。複数クライアントから仕事を請けるときは、時間と仕事の質のバランスを考えてみましょう。

あまり多くの案件に手を出して仕事の質が下がると、クライアントからの評価も下がります。その結果として受注できる仕事が減ってしまっては元も子もないので、自分の能力と相談しながら仕事量を増やしていきましょう。

フリーランサーとして生活の質を高めていくためには、自分の時間と仕事の時間のバランス感覚を磨くことがポイントです。経験を積むことで、仕事のパフォーマンスが最も高まる「仕事量と収入額のバランス」も分かってくるでしょう。

他のクライアントと混同しないように注意

仕事と恋愛はよく似たところがあります。どちらも人生に欠かせませんが、厄介なところも多いものです。例えば、仕事の取引先が多くなればなるほど、恋愛と同じように他と混同しやすくなります。

複数のクライアントと関係をもつフリーランサーの場合は、さらにその傾向が強まります。クライアントごとの契約や仕事の内容は、しっかり区別するようにしましょう。連絡時に相手の名前を間違えるのは、最も初歩的でありながら犯しやすいミスなので注意が必要です。

クライアントとの連絡時に相手の名前を間違ってしまっても、ほとんどのクライアントは気にしません。しかし、それは手を広げすぎているというサインでもあります。自分が管理できる範囲を超えないように、仕事の量を調整するようにしましょう。

まとめ

今回は、複数のクライアントと契約すべき理由について、次のポイントを解説してきました。

  1. 収入を増やして経済的なリスクを分散させることができる
  2. 幅広い分野で経験を積み、他のクライアントから得た知識を活かせる
  3. 経済的な安定は安心感に繋がるため、仕事の質をさらに高められる
  4. 他のクライアントから得た知識は、節度をもって活用するようにしよう
  5. 事業の手を広げすぎて、仕事の混同や品質低下が起こらないように注意

フリーランサーは経済的に不安定ですが、積極的に多くのクライアントと契約を結ぶようにすると、リスクを分散させることができます。手を広げすぎると逆効果になるので、自分の能力と相談しながら仕事を増やしていきましょう。