クラウドソーシングのライティング案件で地雷クライアントを避ける方法

クラウドソーシングサイトでは、多くのクライアントがライターを募集しています。

ライティング案件は気軽に応募できるのが魅力ですが、なかにはライターに不利な条件が設定されているものもあります。

ライターを安く使い捨てようとする『地雷クライアント』と関わると、時間を無駄にしたりキャリアに傷がついたりします。ライターとしてのスキルを高めていくためには、地雷クライアントを避けることが大切です。

そこで今回は、ブラックな案件でライターを苦しめる地雷クライアントの見分け方を、次のポイントから詳しくご紹介していきます。

地雷クライアントを見抜く方法を知っておこう

クライアントの善し悪しを見分けるために、募集内容や業務内容の他に、クライアントの能力や意識を注意深く観察してみましょう。

怪しい募集内容に要注意

地雷クライアントの特徴は、全て募集内容に表れているといっても過言ではありません。応募前に募集文を何度も読み直して、怪しいところがないか確認しておきましょう。

「初心者大歓迎!スキルアップをサポートします!」

クライアントは基本的にあまり経験のないライターとは契約を結びたがりません。ライターに書き方や手順などをひとつずつ教えるのは、時間と手間がかかって効率的ではないからです。

しかし、なかにはやたらと『初心者歓迎』をうたう案件があります。こういった案件は文字単価が異様に低い傾向があります。ひどい場合は0.1円以下の場合もあり、いくら初心者でも条件が悪すぎます。

実績のない初心者ライターであっても、文字単価0.5円くらいなら受注できる案件は多くあります。初心者歓迎の案件だからといって飛びつかず、単価の低すぎる案件は避けるようにしましょう。

「テストライティング合格後は高単価を保証!」

ライターにとって何よりも嬉しいのは『単価が高い』ことですが、多くの案件ではまず最初に『テストライティング』を受ける必要があります。

テストライティングの単価を異様に低く設定するのが地雷クライアントの特徴です。例えば、採用後の単価は4000文字で4000円(文字単価1円)だと言っておきながら、テストライティングは500円だという場合です。

テストライティングが1000文字程度の短いものなら、文字単価は0.5円になるので特に問題はありません。しかし、本番と同じ4000文字を要求しておきながら500円しか出さないのは、地雷クライアント警報だと察知できます。

こういったクライアントは初めから正式採用する気はなく、テストライティングと称して何人ものライターから記事を安く買い叩いています。テストライティングの単価は、少なくとも本番の半分(先ほどの例では2000円)くらいは欲しいところです。

「継続案件!昇給あり!」

多くのライターは、単発ではなく継続の案件を望みます。昇給もできるだけ多い方が好ましいです。そういったライターの心理を逆手にとって甘い言葉で誘い、ライターを使い捨てにしようとする地雷クライアントもいます。

クライアントに継続の意思が本当にあるのかは、クライアントの経歴を確認すればある程度は分かります。例えば、同じライターに継続的に発注している履歴があれば、そのクライアントは信頼性が高いと考えて良いでしょう。

昇給に関しては、募集文で具体的な内容が記載されているかを確認しましょう。「○本執筆後は文字単価○円に昇給」という具体的な指標があれば及第点です。「閲覧数が○を超えたら昇給検討」などの条件では、具体性も公平性もないので注意しましょう。

「応募時に住所・氏名・年齢をご記入ください」

クラウドソーシングとは、基本的に自宅で働くフリーランサーのためのものです。特に、ライティング案件ではどこに住んでいても自由に案件を選べるのが魅力です。

それにも関わらず、応募時に住所・氏名・年齢などの具体的な個人情報を要求するクライアントがいます。クライアントが源泉徴収をする場合はライターの個人情報が必要ですが、クラウドソーシングにおける、大抵のライティング案件でクライアントは源泉徴収をしません。

つまり、個人情報を要求するクライアントには注意が必要だということです。いくら単価が高い案件でも、個人情報を悪用する危険性のあるクライアントとは関わらないようにしましょう。

余計な業務内容に要注意

ウェブライターの業務内容は『文章を書くこと』です。しかし、ウェブライティング業界が拡大するとともに、ライターに求められる仕事も増えています。応募する前には業務内容と単価が釣り合っているかを確認しましょう。

SEO対策を要求する

SEO対策を考えるのは時間と手間がかかる作業です。どのようなウェブサイトを理想として、どのようなコンテンツを必要とするのかによっても、SEO対策のアプローチは大きく変わります。

SEO対策ができるライターはクライアント側としては高い値段を出してでも雇いたいと考えます。そのため、ライターがSEO対策を学ぶことで高単価の案件を獲得することができます。

しかし、多くの駆け出しのライターはSEO対策を含むウェブマーケティングができるライターにどれだけ価値があるか分かっていません。そのため、SEO対策のテクニックをあたかも当然のごとくやるものとして、低い単価で雇おうとするような、クライアントもなかには存在します。

SEO対策を要求された場合は、勉強になるためある程度受けても良いですが、自分の行っている業務が単価と合っているかどうかは意識するようにしましょう。

画像挿入を要求する

WordPressに直接入稿するような案件の場合、画像挿入を要求されることは少なくありません。ごく自然に受けてしまいがちですが、画像挿入は思ったよりも割に合わないことが多いので注意が必要です。

文章の内容に合う画像をフリーサイトから選ぶのは手間がかかります。『小見出し1つにつき1画像必要』と指定されている場合は、10枚以上もの画像を用意することもあるでしょう。

1文字1円くらいの単価では効率が悪くなりがちなので、あまり多くの画像挿入を要求する案件は避けましょう。

タイトルや構成案の作成を要求する

ライターによっては構成案を自分で作成できる方が、自由度が高いので仕事をしやすいこともあります。ただし、クライアントが指定する業務の手順には注意が必要です。

タイトルや構成案の作成を、単にテキスト形式で求める場合は問題ありません。しかし、スプレッドシートやエクセルへの細かな記述を必要とされると、余計な作業に時間がかかりすぎます。こういった効率の悪い業務手順は、1文字1円くらいの標準的な案件に多いので注意が必要です。

ここまでライティングプラスαの業務に注意が必要だと述べてきましたが、スキルを高めて文字単価をアップさせたい場合は、クライアントが求めるタイトルや専門性に柔軟に対応することが大切になります。優秀なクライアントを上手に探すことができれば、自分の働きに応じて正当な対価を得られるようになります。

クラウドソーシングで稼ぐために常に意識すべきたった1つのこと

クライアントの能力に要注意

無能なクライアントのもとで働くのは苦痛です。もし契約後に何らかの異変に気付いたときは、その案件が完了した後に新たなクライアントを探す方が良いでしょう。

意図を正確に伝えられない

「~な感じで書いてくれ」という、あまりにも漠然とした指示を出すクライアントには注意が必要です。ひどい場合は全てをライターに丸投げにして、後からいろいろと文句をつける者もいるからです。

また、正確に要望を伝えられないクライアントは、納品後に何度も修正を求めてくる可能性があります。コミュニケーション能力が低いクライアントとの関係を続けると、後になってトラブルの原因になるかもしれません。

クライアントの指示があまりよく分からない場合、何度も質問を繰り返して満足のいく回答を得てから、作業を開始するようにしましょう。そういった意思疎通を疎かにするクライアントは、ブラック案件が多いので避けましょう。

細かすぎるレギュレーションで縛る

先ほどのいい加減なクライアントとは正反対に、やたらと長いマニュアルをライターに送りつける者もいます。こちらは悪いクライアントというわけではなく、意識の高さが空回りして地雷化している場合が多いです。

ライターへの指示は単純明快であるべきです。長すぎるマニュアルでは何が本当に大切なのか分かりません。さらに深刻なのは、レギュレーションが細かいクライアントは、納品後の修正も異様に細かいということです。

能力のあるクライアントは、具体的なサイト(特に自社サイト)を挙げて、「こういう記事を書いてくれ」と明確な指示を出します。そのうえで実際の業務を進めながら、細かな点をライターに伝えていくのです。

クライアントの意識に要注意

ライターに対するクライアントの潜在的な意識は、プロフィールや経歴にはっきりと表れるものです。仕事の募集内容が気に入った場合でも、必ずクライアントについて細かく調べるようにしましょう。

自己紹介文が空白で発注数も少ない

きちんと仕事をしようという意識があれば、たとえ短文であってもプロフィールを記載するはずです。地雷クライアントはライターからの評価や印象を気にしないため、プロフィールの作成を疎かにします。

いい加減なプロフィールに加えて発注数が少ない場合は特に注意が必要です。アカウントを使い捨てにするつもりか、以前のアカウントの評価が下がったので作り直したかなど、いくつかの可能性が考えられます。いずれの場合もクライアントの信頼性の低さを示しています。

ただし、単に発注数が少ないからといって、地雷クライアントだとは限りません。どんなライターも初めは実績がないのと同じで、優秀なクライアントでも発注数が少ないことはあります。これまで紹介してきた見分け方と合わせて、クライアントの質を見極めましょう。

受注者からの評価値が4以下

クライアントに対するワーカーの評価はとても参考になります。常に誠実な対応を心掛けているクライアントであれば、ワーカーからの評価は常に最高の5点になるはずだからです。

このように、ワーカーからクライアントへ送る評価は高いことが多いので、クライアントの評価値は4.5点以上が望ましいです。それ以下の場合は、地雷クライアントである可能性が高いと考えましょう。

ライターにきちんと評価をつけていない

クライアントからの高評価はライターの実績になります。ライターのことを考えているクライアントは、満足のいく記事を納品したライターにはきちんと高い評価をつけます。

クライアントの履歴から受注者をたどり、クライアントからの評価がついているか見てみましょう。評価がついていないことが多ければ、そのクライアントはライターの働きに対して正当な評価をつけないということです。

地雷クライアントは「記事さえ納品されれば他のことはどうでもいい」と考えていることが多く、ライターを大切にしません。当たり前のことをきちんとできるクライアントを選びましょう。

いきなり外部サイトでのコンタクトを要求する

クラウドソーシングで業務を進めるために、サイト内のメッセージではなく外部サイトでコンタクトを取るのはよくあることです。しかし、『仮払い』前に外部サイトを使用することは、多くのクラウドソーシングサービスで禁止されています。

仮払い前に外部サイトでコンタクトを取ると、報酬が支払われないなどトラブルの原因になりやすいからです。また、正規に契約した後であっても、可能な限りクラウドソーシング内でコンタクトを取るクライアントの方が望ましいです。

「チャットワーク」や「スラック」などの外部サイトでコンタクトを取り、業務の進行にスプレッドシートなどへの入力を求めるクライアントには注意が必要です。前述したように、余計な作業を要求されて効率が悪くなってしまうからです。

募集内容に誤字脱字が多い

ライティングは『文字』を扱う仕事です。ライティング案件のクライアントの文章に誤字脱字が多いのは、クライアントの能力や意識に問題があることを示しています。特に、募集内容の文章は注意深く観察するようにしましょう。

きちんとしたクライアントは、ライターと『対等』の関係を築こうとするので、自身もライターと同じく文字の扱い方に気を配ります。文字を大切にできるクライアントは、ライターのことも大切に扱うのです。

まとめ

今回は、ライティング案件での地雷クライアントの見分け方について、次のポイントをご紹介しました。

  1. 募集内容が怪しくないか確認しよう
  2. ライティング以外の余分な業務が多い案件は避ける方が無難
  3. コミュニケーション能力の低いクライアントには要注意
  4. 細かすぎるレギュレーションで縛る案件は効率が悪い
  5. プロフィールが空白で発注数も少ないクライアントは地雷
  6. 文字を粗末に扱うクライアントはライターのことも粗末に扱う
  7. スキルや単価を上げるためには良いクライアントを探すことが大切

クライアントがワーカーを選ぶように、ワーカーもクライアントを選びましょう。両者が互いに厳しく評価し合うことで、業界が健全に発展していきます。

地雷クライアントと関わると、時間の無駄になるだけではなくライターとしての経歴に傷がついてしまいます。質の悪いクライアントを察知するコツを覚えて、地雷クライアントやブラック案件を避けるようにしましょう。